日本人の歯は平均どれくらい残っている?
歯は全部そろっていたら32本です。そのうち4本は親知らずなので、それを除けば28本です。日本人は高齢になるとどんどん歯が抜けるというイメージがありますが、45歳ぐらいまではほとんど歯を失うことはありません。平均で27.5本残っていると言われています。では何歳ぐらいのタイミングで歯を失っていくのでしょうか。
45~55歳ぐらいまでの間に2~3本失って、55歳の時に残っている歯の平均本数は23.6本です。ここから加速度的に歯を失っていきます。その後10年の間に5本程度の歯を失い、65歳で残っている歯は18.3本、70歳では15本程度となってしまいます。そして80歳の時には9本となってしまいます。これは平均的な数字なので、場合によってはもっと歯を失っていることもあります。最初の数本抜けた時点ではまだ歯を失うことの重要性を実感していませんが、さらに歯を失って入れ歯かインプラントしか治療の選択肢がなくなった時にはじめて「しまった!」と思うのです。
45~55歳ぐらいまでの間に2~3本失って、55歳の時に残っている歯の平均本数は23.6本です。ここから加速度的に歯を失っていきます。その後10年の間に5本程度の歯を失い、65歳で残っている歯は18.3本、70歳では15本程度となってしまいます。そして80歳の時には9本となってしまいます。これは平均的な数字なので、場合によってはもっと歯を失っていることもあります。最初の数本抜けた時点ではまだ歯を失うことの重要性を実感していませんが、さらに歯を失って入れ歯かインプラントしか治療の選択肢がなくなった時にはじめて「しまった!」と思うのです。
最近よく聞く、8020運動って何?
8020運動ってご存知ですか?8020運動とは1989年から始まった「80歳になった時に20本以上自分の歯を保とう」ということをすすめる取り組みです。ハチマルニイマル運動と読みます。この取り組みがすすめられ、1970年代では75歳以上の方の残っている歯の平均本数が5本未満だったのが2011年では13本とかなりの伸びを示しています。この取り組みが功を奏していると言えます。この8020運動は「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるようにしよう」という発案から始まっています。20本以上の歯が残っていれば食事をする時にしっかりと噛むことができ、「食べる」ということには困らないと言われています。この運動がすすめられて、どの年代でも歯が残っている本数は増えてきていますが、歯が残っている平均本数が20本以上ある年齢は69歳までで、70歳を超えると残っている歯の平均本数は20本を下回ってしまいます。これは悪くなったら歯科を受診して治療をするという今までの慣習が残っており、定期的に歯科検診を行って歯の検診やクリーニングをするという人が少ないためと言われています。
8020運動がすすめられているのはなぜ?
これまで8020運動がすすめられてきたのはなぜなのでしょうか。それはいつまでも食事を楽しめるようにするというだけではなく、歯の状態と全身の状態には大きな関係があるからと言われています。 適切な治療を受けていなかったり、入れ歯を使用していない人は歯が20本以上残っている人と比べて認知症の発症リスクは1.9倍、転倒リスクは2.5倍、要介護認定を受けやすい確率は1.2倍になると言われています。口の中の状態が全身の状態に大きくかかわっていることがわかります。これは裏を返すと、歯を残すように努力をすれば認知症や要介護状態になりにくいと言えます。つまり、年を取っても元気でいるためにはお口の中の健康が欠かせない、ということになります。これらのことがデータとしても示されているため、引き続き8020運動をすすめ、予防歯科の普及に努めているのです。 日本は世界有数の長寿国です。しかし歯科部門においては平均寿命に遅れをとっています。それは長寿ではあるけれど、健康な人の割合が少ないということを示しています。歯は一度失うと元に戻すことはできません。自分の歯をより多く残し、健康に年を重ねるためにはこれからも8020運動をすすめ、予防歯科でお口の中の健康を保つ努力が必要です。 最近は歯に対する意識が高くなり、以前よりも虫歯や歯周病にかからなくなっていますが、まだまだですね。定期的な歯科検診やクリーニングをすすめ、ずっと20本以上の歯を残せるようにしたいものです。