虫歯のなりやすさというのは人によって違います。虫歯になりやすい人は、そういう「生まれつきの体質」だと思っているかもしれません。しかし、生まれつきの体質が原因という場合はごく少数であることがほとんどで、多くのケースでは生活習慣など後天的なものが原因になっています。虫歯になりやすい人、なりにくい人の違いはどのようなものなのか、見ていきましょう。
虫歯になりやすい人となりにくい人の違い
1.食生活
食事内容や間食の仕方は虫歯のできやすさと大きく関わっています。繊維質のものをあまり食べず、やわらかいものばかり食べている人は、歯垢が歯に停滞しやすいため、虫歯になりやすくなります。また、間食の多い人、特に飴をよく食べたり、砂糖入りの飲み物をちょくちょく飲んだりする人は虫歯リスクが非常に高くなります。
2.歯磨きの仕方
歯磨きをほとんどしない、というのは論外ですが、歯磨きをたくさんすればいいというものでもありません。1日に何度も短時間磨くよりも、1日に一回でも時間をかけて磨く方が虫歯予防には効果的です。特に夜寝る前にしっかりと磨く人は虫歯になりにくくなります。
3.歯並び
歯並びが悪いとうまく磨けない部分が多く出てしまうため、その部分から虫歯になりやすくなります。また、出っ歯などで口が閉められないと、口の中が乾き、唾液の虫歯予防効果が発揮されず虫歯にかかりやすくなります。
4.虫歯菌の多さ
虫歯菌は他人から感染します。ほとんどは幼少期に家族から感染しますが、感染する年齢が早いほど、虫歯菌の量が多くなると言われており、その後の人生でも虫歯にかかりやすくなるとされています。
5.唾液の質、量
唾液の質は遺伝的なものも関係していると言われています。もともと唾液の量が少なくて粘っこいと虫歯になりやすくなるとされていますが、実は後天的な要素も大きく関わっています。例えば、よく噛まない食生活、あまりしゃべらない生活習慣などで唾液腺が刺激されずに唾液の量が減少すると、虫歯にかかりやすくなってしまいます。
6.詰め物、かぶせ物の多さ
すでに治療済みのところが多い人も虫歯にかかりやすくなります。治療したところはツギハギされている状態であり、そこの境目が虫歯にかかりやすいので要注意です。
7.歯の質の強さ
生まれつき歯の形成不全などで、歯が弱い人もいます。しかしこれはごく少数で、ほとんどの人はこのケースには当てはまりません。