調理方法を工夫する
天然歯で食べ物を噛む力は最大で20キロ程度だと言われています。一方で、入れ歯で食べ物を噛む力は最大で6キロ程度です。自然の歯と比べた時の噛む力は残念ながら1/3ほどになってしまうのです。硬い食べ物を無理に入れ歯でかみ砕こうとすれば、歯茎を傷つけてしまいます。入れ歯でも美味しく食べ物を食べるために調理方法を工夫してみましょう。
柔らかい食材を使用する
豆腐、うどん、卵料理、煮た野菜、おかゆ。お魚であれば、たら・あなご・うなぎ・かれい・いわしなどの熱を加えても身が引き締まらないお魚がお勧めです。
切り目を入れる、細かく食材をカットする
負担なく食べ物を噛めるよう、繊維のある野菜・お肉類は繊維を断ち切るように切り目を入れる、食材を5~8㎜程度のサイコロ状にカットしておく、麺類は軟らかく茹でて、3~5㎝くらいに切っておくなどの工夫をしてみましょう。
パサパサとした食べ物はしっとりさせる
クッキーなどのパサパサとした食べ物は入れ歯に付きやすく、噛みにくいです。牛乳や紅茶に浸して柔らかくしっとりさせてから口に運ぶようにしてみましょう。
入れ歯安定剤を使用する
入れ歯安定剤を使用することで、食事中に入れ歯がズレにくくなり、より快適な食事を目指せます。さらに入れ歯の下に食べかすが入るなどの不快感の削減にもつながります。ただし、入れ歯安定剤は入れ歯がお口に合っている状況でその効果を最大限発揮するように作られているアイテムです。もし現在お使いの入れ歯に違和感や使いにくさがある場合は、歯科医院での微調整または入れ歯の再製作をご検討くださいませ。
入れ歯の見直しを検討してみる
残念ながら入れ歯は永久的に患者様のお口に合うものではありません。歯を抜いた箇所では歯を支えていた骨が痩せ細っていき、最終的には歯茎が平らな状態に変化していきます。「何となく入れ歯が合わなくなってきた…」と感じるのであれば、入れ歯の微調整や歯茎の状態によっては入れ歯の作り直しをご検討頂ければと思います。快適な食事や会話を楽しみ生活の質向上に繋がりますよう、当院では患者様のお気持ちやご希望を優先した入れ歯製作・治療・改善策の提案などをさせて頂きます。