子供の乳歯が抜けて永久歯へと生え変わっていく姿は、子供の健やかな成長を実感し、とても喜ばしいことです。しかし、中には「うちの子の歯並びは悪いのではないか?」と気になっている親御さんも多いのではないでしょうか?将来のことを考えると矯正した方がいいのかと思いつつ、いつから始めればいいのかわからないという方がほとんどです。今回は、子供の歯の矯正を始める時期についてお話したいと思います。
子供の歯の矯正が必要な理由は?
日本ではよほど歯並びが悪くない限り、子供のうちから歯を矯正している人はまだ少ないのが現状です。しかし、欧米では子供が小さなうちから歯を矯正するのが一般的となっています。その理由は「虫歯や歯周病になりにくくするため」、「発音を正しくし、顎の関節や筋肉をバランスよく発達させるため」などがあげられますが、1番の理由は「見た目をよくするため」だと思われます。子供が将来、海外で働くようになった場合、歯並びが悪いという理由だけで印象が悪くなり、ビジネスチャンスを逃してしまう恐れもあるのです。そういった理不尽な状態を避けるためにも、矯正がしやすい子供のうちから歯並びを整えてあげることは、とても大切であると言えるでしょう。
子供の歯の矯正はいつから始めたらいい?
矯正を始める時期についてですが、実は「いつから始めるべき」と決まっているものではありません。歯科医師によっても見解が異なっており、子供の口の中の状況だけではなく、体や心の成長具合も見極めながらスタートする時期を決めていきます。性別や年齢、性格や学校での過ごし方など、多くの条件を考慮しながらしっかりと治療計画を立てることが大切です。歯の矯正は長期間かけてじっくりとすすめていくものですので、疑問や不安な点はどんどん歯科医師に質問しながら、納得がいくまで相談してください。
3~6歳で始めた場合はどうなりますか?
3~6歳の頃は、乳歯が生え揃ってから徐々に永久歯が生えてくる時期(乳歯列期)です。この頃はまだ歯科医院に慣れることから始め、虫歯の有無や噛みあわせをチェックしていきます。また、口呼吸や指しゃぶりなどの悪い癖が歯並びに悪影響を与えてしまう場合もありますので、癖を改善する指導も併せて行なっていきます。まだ幼く、矯正器具が使えるようになるまでには時間がかかるため、半年から1年ごとに経過を観察していく場合がほとんどでしょう。
7~10歳で始めた場合はどうなりますか?
7~10歳の頃は、乳歯と永久歯が一緒になって、混ざって生えている時期(混合歯列期)です。小学生になり、歯の矯正について説明すると理解できるようになっていきます。顎の骨の成長を矯正器具によってコントロールできるようになるため、早期の治療となる「一期治療」を始めるのもよいでしょう。一期治療は顎の骨がまだやわらかいうちに、上下のバランスを整える装置を使用することで、顎のバランスを正しくします。こうすることで、永久歯がきちんと生え揃うように導くのです。
11~15歳で始めた場合はどうなりますか?
永久歯がすべて生え揃い、本格的な矯正が開始できる時期(永久歯列期)です。永久歯の成長が完全に止まる前に、1本1本の歯に矯正器具を装着する「二期治療」を行ないます。中学生になり、歯並びがコンプレックスになる子も増えてきますので、歯並びの悪さが気になる場合は早めに治療を開始するのがおすすめです。一期治療のタイミングを逃し、二期治療からスタートしたとしても遅くはありません。永久歯が生え揃った後も、17~18歳ぐらいまで成長は続きますので、あきらめずにご相談ください。
まとめ
子供の歯の矯正を始める時期について、色々とお話をさせていただきましたが、いかがでしたか?歯の矯正はできれば早めに開始することがおすすめです。興味がある方は、ぜひご相談ください。