「虫歯があるのは分かっているけど、痛くないから放置している」という人は決して珍しくありません。中には「痛くない=治った」と思ってそのままにしてしまっている場合もあるようです。しかし、虫歯というものは放置しても問題ない場合とそうでない場合があるのをご存知ですか?今回はその点について詳しく解説していきます。
虫歯が自然に治ることはある?
場合別、虫歯を放置する危険度
それでは場合別に虫歯を放置する危険度をご覧ください
C0歯の表面が着色しているが穴は開いていない:危険度(±)
歯の表面が白や茶色っぽく着色していて、穴が開いていない場合はCO(シーオー)と呼ばれる段階で、ごく初期の段階の虫歯です。近年では、この状態はきちんと歯磨きを行うことで本格的な虫歯に発展することはないことが分かっているため、歯医者さんでも削らずに様子を見ます。ただし、虫歯に発展しないかどうか、定期的に歯医者さんに確認してもらうことは必要です。
C1歯によく見たら小さな穴が開いている:危険度(+)
本格的な虫歯になってくるというのは、歯に穴が開き始めたり、内部が柔らかくなったりしている状態です。C1とは歯の再表層のエナメル質に限局した虫歯であり、このような状態でもしみたりせずに無症状なことは多いものですが、放置すると虫歯は確実に内部に広がり始め、C2という状態に発展して痛みを起こし始めます。
C2歯に明らかに穴が開いている:危険度(++)
C2というのは歯の神経の外側にある象牙質にまで虫歯が達している状態です。冷たいものや熱いものの刺激でしみることがありますが、歯を刺激しなければ痛むことはありません。ただし、虫歯は神経の方向へだんだんと進行していき、いずれは神経の炎症を引き起こし、激痛が出てきます。そうなってしまうと神経を取らなければならなくなります。
C3〜C4歯に大きな穴、激痛は治まりもう痛くない:危険度(+++)
歯にガッポリ穴が開いていて一時期ひどく痛んだけれども、もう何をしても痛くない、という場合があります。これは虫歯によって神経が強い炎症を起こしたのち、神経が死んでしまい、何も感じなくなっているためです。ここまでくると、歯を抜かなければならない可能性が高くなります。そして、そのまま放置していると細菌感染が骨にまで広がって、いずれ大きく腫れたり、激痛を引き起こしたりしてきます。また、そればかりでなく、細菌が血液中に入り込み、全身を回って命にかかわることもあります。