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2018.05.16

放置ではない、初期ならばできる削らない虫歯治療とは

虫歯治療というとドリルで削って詰めるのが一般的ですね。あの削るときの音やガリガリとした振動は嫌なものです。あの音と振動があるから歯医者は苦手、という人もいるでしょう。でも今は削らない虫歯治療もあるようです。しかも削らないことによるメリットもあるようですので、どのような場合に削らない治療が行われるのか、削らない治療とはどのような治療なのかをご紹介します。

削らない虫歯治療と削る虫歯治療の違い

削らない虫歯治療と削る虫歯治療の違い従来の虫歯治療は削って人工のものを詰めることになっていますが、歯を削ることは歯の寿命を短くすることであり、詰め物と歯の間から再び虫歯になる可能性が高くなるため、最近ではなるべく削らないで虫歯治療をするのがよいと考えられています。しかし、すべての虫歯に対して削らないですむわけではありません。削らないですむのはC0~C1の初期の虫歯です。C0の虫歯はほんの初期の虫歯で黒くなる手前の状態です。放っておくと確実に進行しますが、予防対策をすれば虫歯の進行を止めてそのままの状態を維持することができます。C1の虫歯の場合はC0よりは進行していますが、虫歯の状態によりC0と同様の予防措置と経過観察でよい場合と治療をする場合があります。穴が開いておらず、虫歯が進行するリスクが低い場合は削らない選択をすることになります。一方、どうしても削らなければならない場合とは、痛みが強く、歯の1/3以上広がった大きな虫歯の場合です。たとえ予防策をしたとしても虫歯が広がって神経まで侵されるリスクが大きいため、従来の削って詰める治療を行います。

削らない虫歯治療法~初期虫歯に適用される予防策~

削らない虫歯治療法~初期虫歯に適用される予防策~初期虫歯で削らなくてすみますが、そのままの状態を維持し、虫歯を進行させないようにするためには患者本人の口の中を虫歯になりにくい環境に変える予防対策をしなければなりません。
予防対策
  • 歯磨きの徹底・・・1日に1回以上、食後30分以内に5分~10分歯磨きをします。歯の1本1本を丁寧に磨きます。
  • 定期的なフッ素塗布・・・歯科医院なら3~4カ月に1度、家庭用フッ素なら1日1回行います。フッ素を塗布すると歯を硬く強くすることができます。
  • キシリトールタブレットやキシリトールガムを取り入れ、虫歯の原因菌から歯を守ります。
  • 3~6カ月に1度歯科検診を行い、プロにクリーニングしてもらいましょう。
  • 生え始めの永久歯にはシーラントを塗布して守る方法もとられます。
  • 患者自身の努力と早期発見が必要ですが、削らないことにより歯を長持ちさせることができるのです。

保険適用外の削らない虫歯治療法

保険適用外の削らない虫歯治療法現在は初期虫歯ではなくても削らずに虫歯治療を行うことができるようです。 ただし、保険適用外となるため自費診療となりますし、新しい治療法のため、採用している歯科医院は少ないのが現状です。でも今後、需要が増えれば治療できる歯科医院も増えていくでしょう。その方法とは以下の通りです。
  • ヒールオゾン・・・ ヒールオゾンという特殊な光を照射することで虫歯菌を殺菌し、再石灰化を促します。しかし、まだ実績が不十分で、採用している歯科医院は少ないのが現状です。
  • カリソルブ・・・ 虫歯になっているところにカリソルブという薬品を塗布し、虫歯部分を柔らかくして除去します。機械で削ることがないため、患者さんの恐怖感や痛みが少なくすみますが、治療期間が長くかかることがデメリットとなります。
  • ドックベストセメント療法・・・ 虫歯部分の表面のみ削り、ドックベストセメントという薬品を詰める方法です。この薬品が虫歯を無菌化します。しかし、小さすぎる虫歯や大きすぎて神経まで達しているような虫歯には適用できません。

しかも詰め方に技術が必要で、歯科医の技量によるところが多いようです。他にも削らない虫歯治療法はあるようですが、いずれもまだ一般的ではありません。

まとめ

歯を削ることは歯の寿命を縮め、治療を繰り返すこととなります。削らない虫歯治療をするには早期発見し、予防策を施すことで虫歯の進行を止め、自分の歯を残すことができます。
それには定期的な歯科検診が必要です。

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