歯周病、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、いずれも歯ぐきの病気ですが、いくつも名前があってややこしいですよね。そして、これらの言葉は全て同義語なのではなく、それぞれに違いがあります。今回はそれぞれの違いについて詳しく解説していきます。
歯周病、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏の違いと予防法
歯周病とは
歯周病というのは歯を支えている歯ぐきや、歯槽骨などのような組織の慢性的な病気を指しており、病状の進行状態によって「歯肉炎」と「歯周炎」に分けることができます。
歯肉炎とは
歯周病の中でも歯ぐきに限られた炎症のことを歯肉炎と呼びます。つまり、歯肉炎は歯周病のごく初期の段階であり、歯の周囲に歯垢(プラーク)がたまることが原因で引き起こされ、歯ぐきが赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。子供や10代〜20代の若年者によく見られます。また、高血圧薬や抗てんかん薬の副作用で起きる歯肉炎もあります。
予防法
歯肉炎は一度かかっても、歯垢をしっかりと取り除くことで完治できます。歯と歯ぐきの間の歯垢が原因となるため、歯の根元にしっかりと歯ブラシの毛先を当てて磨くことが大切です。ここでしっかりと治しておかないと、次にあげる歯周炎に進行してしまうことがあるので要注意です。
歯周炎とは
歯肉炎から進行して、その奥の歯根膜や歯槽骨にまで炎症が及び、破壊されている状態です。放っておくと、組織の破壊が進んで骨が溶け、しまいには歯がグラグラになって抜け落ちてしまいます。30代以降からかかる人が増え、日本では8割以上の成人がかかっているとされています。一度破壊された組織は自然に戻ることはなく、通常は徐々に進行していきます。
予防法
歯槽膿漏とは
歯槽膿漏とはかつて重度の歯周病を指す言葉として使われていましたが、現在は専門家の間で専門用語として使われることはなくなりました。「歯槽(骨)」から「膿」が「漏」れる、ということで、非常に進行した歯周病のことを意味しています。このように意味が想像しやすいことから、ちまたでは現在でもよく使われています。
予防法
予防法は歯周炎と同じです。しかし、かなり進行している状態なので、よりこまめに歯科でのケアが必要となります。